読めるのに聞き取れない。中級で詰まった私が、アプリを作り始めた話

韓国語を始めたのは2012年ごろでした。長いブランクもはさみながら、気づけば年単位でやってきました。それでも、いまだに同じ場所で詰まっています。

読めるのに、聞き取れない。

文字で書いてあれば意味は分かる。でも、それはかなりゆっくり読んでいるからで、ドラマやニュースのネイティブの速さになると、分かるはずの単語が次々に消えていく。字幕がなくなった瞬間、世界が一気に遠くなる。あの感覚を知っている人は、きっと少なくないはずです。

一通りやった。それでも壁は越えられなかった

定番の学習アプリも、単語帳も、文法書も、一通りはやりました。続けていれば語彙も文法の知識も増えていく。実感もある。でも「聞き取れるようになる」だけは、なかなか伸びませんでした。

しばらくは、自分の努力が足りないのだと思っていました。もっと単語を覚えれば、もっと続ければ、いつか越えられるはずだと。でも、語彙を増やしても、知っているはずの単語が音になると分からない。問題は知識の量ではなく、音を意味に変換する処理が、ネイティブの速さに追いついていないことのほうにありました。

これは後で「中級の壁」とか「プラトー(停滞期)」と呼ばれるものだと知りました。初級はやればやるだけ伸びるのに、ある地点から急に手応えがなくなる。多くの人がここで止まり、私もそのひとりでした。

同じ韓国語の文でも、文字なら自分のペースで意味が追いつくのに、ネイティブの速さの音だと意味が追いつかず単語が次々に消えていく、中級の壁を処理速度の問題として示した図

気づき — 日本語と韓国語は、語順が同じだった

転機になったのは、当たり前すぎて見落としていた事実でした。日本語と韓国語は、語順がほとんど同じだということです。

主語があって、目的語があって、最後に動詞が来る。助詞の使い方も似ている。だから、日本語の文が進むのと同じ順番で、韓国語の文も進んでいく。

ということは、日本語(意味の分かる言語)を流しながら、それを少し遅れて追いかけるように韓国語を重ねたら、意味と音がズレずに並んで進むのではないか。意味が分かっている状態で同じ内容の音が流れてくれば、脳は「いま聞こえたこの音は、さっきのあの意味だ」と対応づけやすくなるはずだ。

英語学習ではこうはいきません。語順が違うので、意味と音が素直に並ばない。でも日韓なら並ぶ。ずっと前から自分の手の中にあったのに、使っていなかった近道がある気がしました。

だから、作っています

その仮説を確かめるために、いま OtoOi を作っています。日本語と韓国語を少し時間差をつけて重ねて聞く「ステレオ・リスニング」という考え方です(この呼び方の意味はこちらの記事に書きました)。思いつきで終わらせたくなかったので、方法として設計し、特許も出願しました。

ひとつだけ、正直にお伝えします。これがどれくらい効くのかを、私はまだ数字で証明できていません。理屈の上では効くはずだと思っていますが、それを大げさに言うつもりはありません。うまくいったことも、思ったほどでなかったことも、分かった範囲でここに書いていきます。別の記事でも触れましたが、目的は「韓国語の習得」であって、実態より良く見せて売り上げを立てることではありません。その姿勢だけは、作り手としてここでも約束しておきます。

いまは A1(初級)から作りはじめたところで、これから A2 → B1 へと順番に広げていきます。最終的には、字幕なしで韓国ドラマを観られる耳、つまりネイティブの速さで分かる耳まで連れて行ってくれる仕組みに育てたい。

同じ「読めるのに聞き取れない」壁の前にいる人と、一緒に確かめながら越えていけたらと思っています。最初に試せるようになったら、ここと X でお知らせします。


OtoOi はまだ作っている最中です。最初の公開は、このブログと X でお知らせします。

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