-(으)면〜すると・〜たら(条件)
一つ目は、条件のミョン。動詞について、〜すると、〜したら、という条件を作ります。チャミョン、寝ると。扇風機をつけて寝ると、死ぬから。怪談の核心の一文が、この型から始まります。
"선풍기를 켜 놓고 자면, 죽으니까." 「扇風機をつけて寝ると、死ぬから」扇風機をつけて寝ると死ぬ、という韓国の怪談を、一次資料で追いつめる探偵型ドキュメンタリー。物語のカギになる文と、 単語・文法・発音のポイントをまとめました。
🎧 イヤホン推奨(左=日本語/右=韓国語)。
怪談(漢字語=怪談)
クェダム。漢字で書くと、怪談。日本語と同じ漢字語です。この物語の主役のことばで、本編では、100年生き残った怪談、として最初から最後まで出てきます。
犯人(漢字語=犯人)
ポミン。漢字で、犯人。探偵ものの必須ワードです。犯人を探します、犯人は意外な場所にいました、と本編で何度も出てくるので、聞き取りのアンカーになります。
迷信(漢字語=迷信)
ミシン。漢字で、迷信。縫うミシンではありません。本編では、韓国だけの迷信、ハングンマネ ミシン、という形で出てきます。
届出・通報(漢字語=申告(日本語よりも広い意味))
シンゴ。漢字で書くと申告ですが、意味は、届出や通報。日本語の申告より広く使います。本編では、届出が20件、という大事な数字と一緒に出てきます。
容疑者(漢字語=容疑者)
ヨンイジャ。漢字で、容疑者。本編の捜査は、3人の容疑者を追いながら進みます。つづりのとおりだと、ヨン、ウィ、ジャ、ですが、実際には、ヨンイジャ、と軽く読まれます。
証拠(漢字語=証拠)
チュンゴ。漢字で、証拠。最初の証拠です、二つ目の証拠、と、捜査の節目ごとに出てきます。この語が聞こえたら、新しい手がかりの合図です。
生き残る(살다=生きる + 남다=残る)
サラナムタ。サルダ、生きる、と、ナムタ、残る、を合わせて、生き残る。なぜこの怪談だけが生き残ったのか。物語全体を貫く問いの動詞です。
一つ目は、条件のミョン。動詞について、〜すると、〜したら、という条件を作ります。チャミョン、寝ると。扇風機をつけて寝ると、死ぬから。怪談の核心の一文が、この型から始まります。
"선풍기를 켜 놓고 자면, 죽으니까." 「扇風機をつけて寝ると、死ぬから」二つ目は、イナ。数字のあとについて、〜も、と驚きを込める助詞です。100年も生き残った。ペンニョニナ、と数字が強調されて聞こえたら、話し手の驚きのサインです。
왜 이 괴담만 100년이나 살아남았을까요? なぜこの怪談だけが、100年も生き残ったのでしょう?三つ目は、ルチド モルムニダ。〜かもしれません、という推測の型です。世界が信じている犯人は、無実かもしれない。どんでん返しの直前に出てくる、ミステリーの定番です。
세계가 믿어 온 범인은, 무죄일지도 모릅니다. 世界が信じている犯人は、無実かもしれません。四つ目は、トン ゴシムニダ。〜だったのです、と、いま分かったことを明かす言い方です。犯人は、99年前の新聞記事だったのです。真相を明かす文と、そのあとの締めの文が、どちらもこの形になっています。
범인은, 99년 전의 신문 기사였던 것입니다. 犯人は、99年前の新聞記事だったのです。生き残ったのでしょうか、の、サラナマッスルカヨ。文字のとおりだと、サル、ア、ナム、アッ、と切れそうですが、パッチムが次の音に順番につながって、サラナマッスルカヨ、とひと息に流れます。連音のオンパレードです。
〜しかない、の、スバッケ。パッチムのクが後ろとぶつかって、バッケ、と濃い音に変わります。本編では、我々には推測するしかない、という決め台詞、チュチュカル スバッケ オプタ、で出てきます。
昔、の、イェンナル。文字のとおりだと、イェッ、ナル、と読めそうですが、パッチムのッが、後ろのナ行の音と出会って、イェンナル、と鼻に抜ける音に変わります。本編では、昔の新聞へさかのぼる場面で、繰り返し出てきます。
本編で語りきれなかった、裏取りの記録です。
本編で追った事件を、年表に残しておきます。1918年の記事は、まだ「注意すれば有益」。死ぬという話は、いま確認できる範囲では、1927年の「扇風機病」の記事が最初です。1935年には、最初の死亡事例の報道が現れます。2006年に政府機関が公式に警告し、2010年に大法院が科学的な根拠を否定。それでも翌2011年、警察はまだ、原因は扇風機、と言い、2013年、テレビの実験が、酸素は変わらないことを確かめました。怪談の100年は、この一枚に収まります。
世界でいちばん有名な説明は、1970年代に、政府が節電のために作った、というものでした。ところが、この説の大元の、ファクトチェックサイトSnopesの原文には、我々は推測するしかない、と書いてあります。つまり、一次資料はゼロ。そして、1927年の記事が実在する以上、1970年代に生まれた、は成り立ちません。ただし、注意がひとつ。1970年代の節電の時代に、政府やメディアが、もともとあった俗信を大きく育てた可能性は、まだ否定されていません。崩れたのは発明説で、増幅説は、これからの捜査です。
この事件は、言葉の正確さが決め手でした。よく引かれる、20件、は、消費者機関への届出が20件、という意味で、確認された死亡の数ではありません。2010年の判決の、扇風機は酸素を減らさない、という言葉も、裁判所が自分で調べたのではなく、医学の専門鑑定を、裁判所が採用したものです。誰が、何を、どこまで言ったのか。そこを分けて聞くことが、怪談を解く鍵でした。
本編の最後の、3つの謎の補足です。1970年代に政府が怪談を育てたのか。発明説は崩れましたが、この増幅説は、まだ検証されていません。誰が世界に広めたのか。2000年代には英語の大きなニュースにもなりましたが、最初に広めた一歩は、特定されていません。そして、今の韓国でどれだけ信じられているのか。判決のあとは衰えた、とよく言われますが、それを裏づける調査データが、実は見つかっていません。韓国の家族や友だちがいたら、聞いてみてください。コメントで教えてもらえたら、それが次の捜査の手がかりになります。